国債のリスクを学ぶ
国債にはどんなリスクがあるのか
中途換金の仕組みなど、個人向け国債では元本割れのリスクは抑えられていると前述しました。
では、その他に国債にはどのようなリスクが存在するのでしょう。
債券の価格変動リスクを理解するために、「金利が低下すると債券の価格は上昇し、金利が上昇すると価格は低下する」と、まずは覚えておきましょう。
通常は短い期間の方が金利が低く、長い期間のものは金利が高いという印象がありますが、実際は必ずしもそうとも言い切れないのです。そのときの経済や物価の動向や日銀の金融政策などによって、変化してくるのです。このことを「金利変動リスク」といいます。
国債などの債券は、満期まで待てば額面で償還されますが、途中で解約する場合には、債券相場の状況によって売却金額が異なってくるからです。
また、債券の残存期間についても注意が必要です。残存期間に応じて売却価格が決定されるからです。
変動タイプの国債が良いのか、固定タイプの国債が良いのかという選択は、この「金利変動リスク」に応じて選択するべきなのです。
変動利付10年タイプのリスク
今後長期金利が上昇すると見込まれる場合には、変動タイプが有利となります。
個人向け国債の10年変動タイプに適応される利率は、通常の10年国債の入札によって決定される基準金利から0.8%を差し引いたものになります。
通常の10年国債の金利が2.0%とすると、2.0-0.8=1.2%、個人向け国債の金利は1.2%になります。
このとき、仮に金利が10年間変わらないとすると、個人向け国債の利率は1.2%のまま、10年間続くことになります。
そうすると0.8%引かれない、通常の10年国債を買ったほうが有利ですね。
さらに、長期金利が今後10年間で2.0%以下に下がってしまうような場合は、最初から金利の変わらない(下がらない)固定タイプを選んでおいた方が良いのです。
このように長期金利がある程度以上上昇すると予測される場合には、変動タイプが有利となるのです。
この様に今後の金利動向をどのように予測するのかによって、固定タイプの国債にするのか、変動タイプの国債にするのかを選択します。この予測は、選択する投資家のリスクともいえます。
また、半年ごとに見直される金利は、半年の金利の平均などで決まるわけではありません。
10年国債の入札の結果によって左右されるということを押さえておきましょう。長期金利は毎日のように変動しており、たまたま入札の日に金利が大きく動くこともあり得るからです。
固定利付5年タイプのリスク
固定タイプの個人向け国債にも金利変動によるリスクはあります。
住宅ローンを選ぶ際に、固定タイプにするか、変動タイプにするか悩むようなものです。単純な金利差だけでなく、長期にわたる金利の変動をある程度予測する必要があります。
変動タイプと違って、もらえる利子が減ることはないので安心という見かたもできます。
しかし、仮に金利が上がった際に、変動タイプであれば上昇幅に応じて利子が増えますが、固定タイプでは金利の上昇に関係なく、決まった額になります。
このような「機会損失」というリスクが生じます。
また、もらえる利子は通常の5年国債の金利から0.05%引かれた額となります。5年間保有するならば、通常の5年国債のほうが0.05%分有利なのです。
ただし、「価格変動リスクがなく、買いやすい」という面では個人向け国債の方が有利です。
中途換金におけるリスク
個人向け国債には、中途換金の際にいろいろな制限があります。
まず、購入は年4回、決められた期間しか買うことはできません。
売却は変動10年タイプは1年、固定5年タイプは2年間経過するまではできません。(本人が亡くなった場合、災害救助法の対象となった場合を除く)
換金の際に手数料もかかりますので、10年、あるいは5年保有しておける資金で購入することがベストです。
